「施設への入居が決まったけれど、何を持って行けばいいのかしら?」
「自宅の荷物はどこまで持ち込めるの?」
入居準備は、単なる「引越し」ではありません。ご本人にとっては住み慣れた家を離れる大きな節目であり、ご家族にとっては新しい生活を支えるための大切なサポートです。
今回は、有料老人ホームへの入居にあたって、「これだけは揃えておきたい持ち物リスト」と、「準備で失敗しないためのポイント」を詳しく解説します。
1. なぜ「事前の確認」が重要なのか?
一般の賃貸マンションへの引越しと、有料老人ホームへの入居で最も違う点は、「集団生活であること」と「安全管理のルールがあること」です。
良かれと思って持っていったものが「施設では禁止されていた」というケースや、逆に「これがないと生活が始まらない」という必需品を忘れてしまうケースは少なくありません。まずは、施設から渡される「入居のご案内」をしっかり読み込むことが大前提ですが、ここでは一般的な基準をご紹介します。
2. 【必須】必ず準備すべき「4つのカテゴリー」
① 書類・手続き関係(忘れると入居できないことも)
初日に最も重要なのが書類です。これらは「持ち物」というより「契約の一部」とお考えください。
- 各種保険証: 健康保険証、介護保険証、後期高齢者医療受給者証など。
- 印鑑: 契約の最終確認や、その後の各種手続きで使用します。
- お薬手帳と現在服用中の薬: 施設看護師や提携医が確認するため、2週間〜1ヶ月分ほどまとめて持参します。
- 診療情報提供書(紹介状): 主治医からの大切な情報源です。
+(健康診断書が必要な場合があります)
② 衣類(5〜7日分を目安に)
施設では定期的に洗濯サービスがありますが、毎日洗濯するとは限りません。「1週間分」を目安に用意しましょう。
- 普段着: 脱ぎ履きしやすく、シワになりにくい素材(綿やポリエステル混紡)がベスト。
- 下着: 多めに(7〜10セット)用意しておくと安心です。
- 寝巻き・パジャマ: 3〜4着。
- 羽織もの: 施設内は空調が効いていますが、体温調節のためにカーディガンやベストが必要です。
- 靴: リハビリシューズなど、かかとがあり、滑りにくいもの。
③ 洗面・衛生用品
- 洗面道具: 歯ブラシ、コップ、くし、電気シェーバー(カミソリはNGな施設が多いです)。
- タオル類: バスタオル、フェイスタオルを各5枚程度。
- プラスチック製のコップ: 割れにくく、名前が書きやすいもの。
④ 家具・生活雑貨
- 寝具: 多くの施設でベッド本体はレンタルが多い傾向にあります。枕や掛け布団、シーツ類は持ち込みが必要な場合があります。
- カーテン: 窓のサイズに合わせたもの。ここで重要なのが**「防炎ラベル」**です(後述します)。
- 置き時計: パッと見て時間がわかる、文字盤の大きなもの。
- ゴミ箱: 1〜2個。
3. 「これがあると安心」プロが勧めるプラスアルファ
最低限のものだけでは、お部屋がどうしても「殺風景」になりがちです。ご本人が「自分の居場所だ」と感じるための工夫が必要です。
- 家族の写真: お孫さんの写真や、ご家族で出かけた時の写真は、スタッフとの会話のきっかけにもなります。
- 愛用していた椅子: 普段座っていた椅子があるだけで、精神的な落ち着きが全く違います。
- 趣味の道具: 塗り絵、本、編み物など。※ただし、ハサミや針などの刃物は管理が必要なため、事前に施設に相談しましょう。
4. ここが落とし穴!準備の際の「3つの重要ポイント」
ポイント① 全てのものに「名前」を書く
これが最も大変で、最も重要な作業です。施設では数十人分の洗濯物をまとめて洗います。靴下1足、ハンカチ1枚に至るまで、「消えないマジック」や「お名前シール」でフルネームを書きましょう。 最近では、アイロンで貼れる布シールや、お名前スタンプを活用するご家族も増えています。
ポイント② 「防炎製品」でなければならない
多くの有料老人ホームは消防法により、持ち込むカーテンやカーペット、寝具などは「防炎物品」であることが義務付けられています。 「防炎マーク」のタグがついているか、購入時に必ず確認してください。自宅で使っていたお気に入りのカーテンが使えないこともあるので注意が必要です。
ポイント③ 持ち込み「NG」なものを把握する
安全上の理由から、以下のものは制限されるのが一般的です。
- 火気: ライター、マッチ、お線香、ろうそく。
- 刃物: 包丁、ハサミ、果物ナイフ、カミソリ。
- 熱を発するもの: 電気ケトル、電気ストーブ、アイロン。
- 現金・貴重品: 盗難や紛失のトラブルを避けるため、多額の現金や高価な貴金属は持ち込まないのが基本です。

5. まとめ:新しい一歩を「あんしん」して踏み出すために
入居準備は、ご家族にとっても体力的・精神的に負担がかかる作業です。 一度に完璧に揃えようとしなくても大丈夫です。まずは「命に関わるもの(薬・書類)」と「清潔を保つもの(衣類・洗面具)」を優先し、あとは生活しながら「やっぱりこれが必要だったね」と買い足していくのが、実は一番失敗のない方法です。
私たち「あんしんホーム」は、単にお部屋を紹介するだけでなく、こうした入居前後の細かなお悩みにも寄り添いたいと考えています。
「この施設にはこれを持って行ける?」 「名前書きを楽にする方法はない?」 そんな些細なことでも構いません。何か迷った時は、いつでも私たちにご相談ください。
新しい生活が、ご本人にとってもご家族にとっても「あんしん」して笑顔で過ごせるものになりますよう、精一杯お手伝いさせていただきます。
終わりに
こうした、パンフレットには載っていない「現場のリアルな疑問」を解決するのが私たちの役割です。ご家族の負担を少しでも軽くし、入居当日に「ここに来てよかった」と笑顔でスタートできるよう、プロの視点で全力サポートいたします。
「何を聞けばいいのか分からない」という状態でのご相談も大歓迎です。 入居前の準備から、入居後のアフターフォローまで。私たち「あんしんホーム」が、あなたとご家族の新しい暮らしに寄り添います。ぜひお気軽にお問合せください。
