介護付き有料老人ホームにおける機能訓練指導員とは
- rehabiliport2019
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更新日:4 日前
概要
機能訓練指導員は、高齢者の身体機能(歩行、筋力、関節可動域、バランスなど)の維持・改善および悪化予防を目的に、リハビリや運動プログラムを計画・実施する専門職です。
「介護付き有料老人ホーム」は、要介護認定を受けた高齢者が長期にわたって生活する住まいであり、安全で自立した生活を継続するために、機能訓練の存在は不可欠です。
機能訓練指導員は、単なる「訓練の提供者」ではなく、利用者一人ひとりの生活の質(QOL)を支える生活支援の専門家として、施設ケアの中核を担います。

主な業務内容
① 個別機能訓練計画の作成
利用者の心身状態(ADL、既往歴、生活環境、疾患の特性など)を多角的に評価(アセスメント)。
「歩行の安定性を高める」「トイレ動作の自立を図る」「転倒リスクを軽減する」など、生活に即した目標を設定。
訓練は、利用者の“できる力”を引き出すことを重視し、実用的かつ個別性に富んだ内容で構成されます。
※計画は介護保険制度により、3ヶ月ごとの再評価・見直しが義務づけられています。
② 訓練の実施(個別/集団)
🔹 個別訓練
屋内歩行訓練(廊下・手すりを使った訓練など)
バランス能力の向上(立位・座位保持、片脚立位など)
上肢・下肢の筋力トレーニング(セラバンド・重錘など使用)
関節可動域訓練(ROM)による拘縮予防
食事・更衣・排泄などADL動作の再学習
移乗訓練(ベッド⇔車椅子など)
🔹 集団訓練
リズムに合わせた体操や音楽を活用した運動
認知機能を活性化する脳トレ・手指体操
季節行事と連携したイベント体操
椅子に座ったままで行える安全な運動プログラム
※訓練の中にはレクリエーション的要素も取り入れ、心身両面からの刺激と楽しさを提供します。
③ 多職種との連携
機能訓練は、他の職種との連携によって成り立つ「チームケア」の一部です。
職種 | 連携のポイント |
介護職 | 日々の動作・姿勢観察、訓練への声かけや支援 |
看護師 | 体調管理、服薬・バイタル情報の共有 |
ケアマネジャー | ケアプランとの整合性、長期目標との連動 |
生活相談員/家族 | 訓練目的の説明、日常の不安や要望の反映 |
定期的なサービス担当者会議やミニカンファレンスを通じて、利用者の状態や訓練方針を共有し、柔軟に対応します。
④ モニタリング・記録
訓練内容・実施時間・反応・効果などを記録。
身体状況や心理面の変化をいち早く把握し、必要に応じて計画を再調整。
転倒・誤嚥・体力低下などを未然に防ぐ「リスクマネジメント」としても重要です。
対象となる入居者
原則として要介護認定を受けている高齢者が対象です。
以下のような疾患や症状を持つ方が多く、身体的な支援に加えて認知症対応も必要となるケースが少なくありません。
疾患・状態 | 内容 |
脳血管障害後遺症 | 片麻痺、構音障害など |
認知症 | 記憶・理解・注意の低下と身体機能への影響 |
パーキンソン病 | 筋固縮、歩行障害、すくみ足 |
骨折・人工関節置換術後 | 再発防止と機能回復を目的とした運動療法 |
廃用症候群 | 長期臥床による運動能力・筋力の低下 |
必要な資格(厚生労働省の基準)
機能訓練指導員として従事するには、以下の国家資格のいずれかが必要です:
資格 | 特徴・専門性 |
理学療法士(PT) | 動作分析、歩行訓練、バランス評価に強み |
作業療法士(OT) | ADL訓練、上肢機能回復、生活行為への支援 |
言語聴覚士(ST) | 嚥下機能訓練、構音・コミュニケーション支援 |
柔道整復師 | 骨格筋への手技、可動域改善、機能回復 |
あん摩マッサージ指圧師 | 筋緊張の緩和、血行促進、リラクゼーション効果 |
看護師・准看護師 | 医療的視点での訓練支援(※経験が求められる) |
配置基準と勤務体制
介護付き有料老人ホーム(特定施設)では、1名以上の機能訓練指導員の配置が義務付けられています。
施設規模別の配置傾向:
施設規模 | 傾向 |
小規模(~30名) | 看護師が機能訓練を兼務するケースが多い |
中規模(30~60名) | 看護師+非常勤PTやOTによる分担 |
大規模(60名以上) | 常勤PTやOTを複数配置/訓練室の設置あり |
介護付き有料老人ホームを検討されるご家族やご本人からは、 「これまで受けていたリハビリを、今後も継続したい」 「体力が落ちないよう、今の状態を維持できる施設を探したい」 といったお声を多くいただいております。
我々 あんしんホーム ができること
我々あんしんホームでは、利用者様一人ひとりのこれまでのリハビリ経験や生活歴、現在の身体・認知機能、そしてこれからの希望や意欲を丁寧にお伺いしたうえで、その方に最適な機能訓練がしっかりと実施される施設をご紹介しております。
機能訓練指導員の配置状況や訓練内容、他職種との連携体制など、「見えにくい部分」も含めて客観的に比較・検討することが、後悔のない施設選びにつながります。弊社には理学療法士や作業療法士の資格を持ったスタッフが多く在籍しており、リハビリ面における専門的な視点を元に、最適な施設をご提案させていただいております。
「今できることを、できるだけ長く続けたい」という想いに寄り添いながら、ご本人の生活の質(QOL)を支える最適な環境づくりをお手伝いしています。どんな小さなご相談でも、お気軽にお聞かせください。

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