介護付き有料老人ホームの「福祉用具」~知っておきたい基本と注意点~
- rehabiliport2019
- 4月22日
- 読了時間: 5分
「介護付き有料老人ホームって、どんな福祉用具が使えるの?」
「費用はかかる?介護保険は使える?」
ご本人やご家族が入居を検討される際、日々の生活を支える「福祉用具」について気になる方も多いのではないでしょうか。
介護付き有料老人ホームは、介護が必要な方が安心して暮らせるよう、様々なサポートが受けられる施設です。快適で安全な生活を送るためには、ベッドや車いすといった福祉用具が欠かせません。
この記事では、介護付き有料老人ホームで利用できる福祉用具の種類や、費用(介護保険の利用可否)、自分で用意する必要があるケースについて分かりやすく解説します。

施設にはどんな福祉用具があるの?
介護付き有料老人ホームでは、入居者の方々の状態に合わせて、様々な福祉用具が用意されています。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
電動介護ベッド
起き上がりやベッドからの移動を楽にしてくれるベッドです。リモコン操作で背もたれの角度やベッドの高さを変えられるので、ご本人の負担はもちろん、介護するスタッフの負担も軽減してくれます。
車いす
食堂への移動や施設内の散歩など、歩行が難しい方の移動をサポートします。ご自身で操作できる「自走式」と、スタッフが押す「介助式」があります。
シャワーチェア・浴槽リフト
お風呂は気持ち良いけれど、転倒などの危険も伴います。シャワーチェアに座って体を洗ったり、浴槽リフトを使って安全に湯船に入ったりすることで、安心して入浴できます。
ポータブルトイレ・尿器
夜間や、体調が悪くてトイレまで行くのが大変な時に、お部屋で排泄ができる用具です。プライバシーにも配慮されています。
体圧分散マットレス
寝ている時間が長いと、同じ場所に圧力がかかり続けて「床ずれ(褥瘡)」ができてしまうことがあります。このマットレスは、体の圧力を分散させて、床ずれができにくくしてくれます。
歩行器・手すり
「自分の足で歩きたい」という気持ちを支え、転倒を防ぐための用具です。歩行器は体重を支えながら歩くのを助け、廊下やトイレに設置された手すりは、移動時のふらつきを防ぎ、安全性を高めます。
気になる費用は?介護保険は使える?
ここが重要なポイントです。
介護付き有料老人ホームでは、原則として「介護保険を使って福祉用具をレンタルすることはできません」。
介護付き有料老人ホームは「特定施設」という区分にあたり、施設が提供する介護サービスの中に、福祉用具の利用も含まれている、という考え方だからです。そのため、個人的な福祉用具利用に関してはご自身(自費)で用意しなければならないケースもあります。
「自分で用意する必要がある」のはどんな時?
基本的には施設が用意した福祉用具を使いますが、以下のようなケースでは、ご自身で(自費で)用意する必要が出てくることがあります。
特別な機能が必要な車いすやクッション
例:長時間座っても疲れにくい特殊なクッション、リクライニング機能付きの車いすなど、施設標準のものでは対応できない場合。
施設のベッドが体に合わない場合
例:小柄な方や大柄な方、特別な配慮が必要な方向けのベッド(エアマットなど)を希望される場合。
より高度な見守り機能を追加したい場合
例:施設標準の見守りシステムに加えて、高精度の排泄センサーや見守りカメラを個人的に利用したい場合。
個人専用の福祉用具・自助具
例:専用の車椅子や、持ちやすいように工夫されたスプーンや食器、お気に入りの靴べらなど、個人的な使いやすさを追求したもの。これらは個人の所有物扱いになります。
痰吸引器などの医療機器
医療的なケアに必要な痰吸引器などは、福祉用具とは異なり、別途準備が必要です。購入の場合は数万円~十数万円、レンタルの場合は月々1万円~3万円程度が一般的で、費用は自己負担となります。
他の施設との違いは?(簡単比較)
福祉用具の扱いは、施設のタイプによって異なります。
介護付き有料老人ホーム:
施設が福祉用具を提供(利用料に含まれる)。
介護保険でのレンタルは不可。
住宅型有料老人ホーム:
福祉用具は基本的に自分で手配。
介護保険を使ってレンタル可能。
グループホーム:
施設が基本的な福祉用具を提供。
個別の状況により、自費で用意する場合もある。
施設を選ぶ際には、こうした違いも理解しておくと良いでしょう。

入居前に必ず確認を!ご不明なことは、ぜひあんしんホームにご相談ください!
介護付き有料老人ホームでは、快適で安全な生活を送るための基本的な福祉用具が利用料に含まれており、安心して利用できるのが一般的です。
ただし、ご本人の体の状態や希望によっては、標準的な福祉用具だけでは対応できず、自費で用意する必要があることも覚えておきましょう。特に痰吸引器などの医療機器は、別途費用がかかります。
失敗しない施設選びのためにも、入居を決める前に
どの福祉用具が標準で利用できるのか?
自分の希望する用具は使えるか?(自費になるか?)
自費で用意する場合の費用や手続きは?
といった点を、必ず施設側に詳しく確認するようにしましょう。
介護施設に関するお悩みやご相談は、私たち「あんしんホーム」のような専門機関にお気軽にお問い合わせください。専門的な視点から、あなたに合った施設選びのお手伝いをさせていただきます。

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